タトゥーや刺青は、皮膚を針や刃物で傷つけ、そこに墨や絵の具などを注入して、文字や絵を描く方法です。また、これらのアート自体を指すこともあります。
「刺青」は元々「しせい」と読まれる言葉で、その読み方は谷崎潤一郎の小説『刺青』の発表以降、「いれずみ」と発音され、一般的に「刺青」と表記されるようになりました。要するに、「入れ墨」と「刺青」は同じものを指します。ただし、江戸時代に前科のしるしとして顔や腕に入れられた墨を指す場合には、「入れ墨」という表現が使用されます。
「タトゥー（Tattoo）」は、刺青の英語表現です。したがって、「タトゥー」という言葉は通常、西洋風の絵や文字の刺青を指すのに対し、「刺青」という言葉は、日本風の絵や文字の刺青を指すことが多いですが、本質的には両者に違いはありません。洋風の刺青は機械で施されることが多く、「タトゥー」と呼ばれることもありますが、和風の刺青は手作業で行われることが一般的です。
また、和風と洋風の刺青を区別し、「刺青」はヤクザなどがするもの、「タトゥー」はファッション的なものとして呼び分けることもありますが、実際には柄や大きさに関係なく、高齢者は一般的に「刺青」と呼ばれ、若年者は「タトゥー」と呼ばれる傾向があります。したがって、刺青とタトゥーの使い分けは、人々がそれぞれ持つイメージや認識に依存しています。
入れ墨には他にも「彫り物（ほりもの）」「文身（ぶんしん・いれずみ）」「紋身（もんしん）」「倶利迦羅紋々（くりからもんもん）」「紋々（もんもん）」といった別の呼び名も存在します。